市場連動型電力プランとは

2016年に始まった電力の自由化に伴い、新しいタイプの電力プランが次々と登場しています。

一部の電力会社が提供する市場連動型電力のプランがニュースで話題になりました。

市場連動型とはどのようなプランなのか、仕組みとメリット、デメリットを詳しくご紹介していきます。

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市場連動型プランとは

市場連動型プランとは、「JEPX(日本卸電力取引所)」と呼ばれる国内で唯一電力が取引できるマーケットの電力価格に連動して決まる電力プランになります。

自社で発電所を保有しない新電力会社等が、このJPEXから電力を調達しています。

JEPXの電気価格は毎日更新され、基本的には電力の需要によって単価が決定されており、世界情勢やその価値で大きく取り引き値が変わる為替や株のようなイメージです。

市場連動型プランは、電気の価値や季節等によって電気代が変動するプランとなり、「JEPX」で行われる電力の取引価格を電力の業界では市場価格と呼ぶため「市場連動型プラン」と名前がついています。

市場連動型プランのメリット

市場連動型プランの電気代は、毎日30分毎に更新されて全国に10か所ほどに分かれて計測されているため、それぞれお住いの地域によって電力単価は変わってきます。

電気の単価は電力需要で決まるため、電気が多く使われている時間帯には高くなり、比較的電気を使用しない時間帯は安くなります。

そのため、単価が安い時間帯にうまく家電等を使用するようにすれば、従来型に比べて大幅に節約することができるのが最大のメリットです。

具体的には、従来型プランの固定料金で、1kWhが20円から30円ほどが一般的ですが、市場連動型プランでは単価が安い時間帯には1kWhが10円台になるケースもあるようです。

このように電力需要を上手に使いこなせば、電気代が半分近くに減らせる可能性があるプランなのです。

デメリットはある

電気の需要によって取引されるため、季節の影響を受けやすいプランなことが言えます。

例えば、酷暑が続く真夏や強烈な寒波が来た日真冬の日など、冷暖房を中心とする家電製品の消費電力が急激に増える場合に電力需要は多くなり、市場連動型プランでは電力が非常に高くなってしまうケースがあります。

また、世界情勢によっても影響があるケースがあります。

現在の日本の電力発電は、「LNGガス」と呼ばれる液化天然ガスによる火力発電が主体となっています。

そのLNGガスの多くは輸入に頼っているため、輸出国の国内情勢によって輸出量が減り、供給が遅れるなどといったトラブルが過去に発生しています。

例えば、2021年年明けに新型コロナウイルスによる影響で物流遅延等が原因でLNGガスの生産、物流に混乱が生じ、在庫不足になりました。

このような影響を受けてしまうと市場連動型プランを利用している消費者は電力単価が跳ね上がるという可能が高まります。

実際2020年には安定して格安だった電力単価が、2021年に入って高騰するというニュースが話題になり、一部の新電力会社では新規受付を中止しています。

日本国内だけでなく世界情勢や他国の需要によっても電力供給に影響を出てきますので、それなりのリスクもあることを知っておくことが大事です。

市場連動型電力プランを提供している電力会社一覧

・日本テクノ
・自然電力
・ハルエネでんき
・みんな電力
・おトクでんき
・ダイレクトパワー
・リミックスポイント
・テラエナジー
・ハチドリ電力

上記は市場連動型プランを提供している一部の電力会社です。※現在提供をしているのかについては直接ご確認ください。