テレビは、家電の中でも1日の利用時間が比較的長く利用されるご家庭が多い電化製品の一つです。
最新の液晶テレビの省エネ効果や10年以上前の液晶テレビと比較した電気代の違いや節約方法について徹底的に調べてみました。
液晶テレビのサイズ別の電気代とは
サイズ別に一般的な液晶テレビの電気代を解説します。
1時間あたりの電気料金は「消費電力(kW)×電気料金単価」で計算することができます。
電気料金単価は各家庭の契約プランによって異なりますが、 全国家庭電気製品公正取引協議会の目安となっている「1kWあたり27円」として計算しています。※参考:全国家庭電気製品公正取引協議会より
また、1日の視聴時間はNHKの放送文化研究所が調査した2020年国民生活調査より、平均3時間~3時間30分となっているため、1日当たりの時間を3時間として計算しています。
サイズ | 消費電力(平均) | 電気代(1時間) | 電気代(1日※3時間) |
液晶テレビ19型 | 35W | 約0.9円 | 約2.7円 |
液晶テレビ20型 | 40W | 約1.1円 | 約3.24円 |
液晶テレビ24型 | 44W | 約1.2円 | 約3.6円 |
液晶テレビ32型 | 58W | 約1.6円 | 約4.7円 |
液晶テレビ40型 | 85W | 約2.3円 | 約6.9円 |
液晶テレビ50型 | 135W | 約3.6円 | 約10.9円 |
液晶テレビ55型 | 163W | 約4.4円 | 約13.2円 |
液晶テレビ60型 | 250W | 約6.8円 | 約20.2円 |
液晶テレビ65型 | 200W | 約5.4円 | 約16.2円 |
液晶テレビ70型 | 290W | 約7.8円 | 約23.5円 |
液晶テレビ80型 | 400W | 約10.8円 | 約32.4円 |
最新の48型有機ELテレビの消費電力は263Wで1時間当たりの電気代は7.1円と若干割高になります。
※平均消費電力の情報は2021年に調査した平均値になり、メーカー等において消費電力は異なる場合があります。
様々なテレビが販売されている
液晶テレビにおいて「フルHD」や「4K」という言葉をよく聞きますが、これはテレビ画面の解像度を意味しています。
縦と横の総画素数が大きいほどより細かく映し出せるため、美しく綺麗に見えるのです。
最近では「8K」のテレビや「有機ELテレビ」など新しいタイプのテレビも次々と誕生しています。
テレビの種類と消費電力について調べてみました。
【プラズマテレビ】
プラズマテレビは、ほとんどの主要メーカーが生産を終了しています。
プラズマテレビとは、テレビの画素の1つ1つがプラズマ発光をして画面を映す仕組みになり、色の再現性が高く応答速度に優れており、黒色を綺麗に映し出せるという長所がありました。
しかしながら、同じ大きさの液晶テレビと比べて2倍以上もの消費電力がかかってしまう、小型化するのが難しい等の課題がありました。
【フルHD液晶テレビ】
地デジ時代に主流になったのがフルHDです。フルHD液晶テレビをお使いになっているご家庭は多いのではないでしょうか。
フルHDは「1920×1080 (約207万画素 )」の画素数で、今では小型テレビがフルHD中心になっています。
【4K液晶テレビ】
今一番の売れ筋が4Kテレビです。4Kテレビは、「3840×2160(約829万画素)」ドット数で、フルHDの4倍の画素数であるためより細かく鮮明に映し出すことが可能になります。
4Kテレビは40インチ以下のサイズの生産が非常に少なく、4Kテレビの普及によってご家庭でも43型以上の大きなテレビを所有することが一般的になりました。
また4K対応のインターネットサービスのコンテンツも続々と誕生しています。
【8K液晶テレビ】
4Kテレビの更に4倍もの解像度を持つ8Kテレビが発売されています。
こちらは「7680×4320(約3,317万画素)」の解像度で、かなり鮮明な映像を映し出すことが可能になり、今までにない超高画質を求めている方に支持されています。
【有機ELテレビ】
圧倒的な画質で人気がある有機ELテレビ。多くは48型以上に有機ELが採用されています。
一般的な液晶テレビと比べて有機ELテレビはパネルに違いがあり、画質や応答速度に優れているというメリットがあります。
4K液晶テレビと並べて比べると動きのある映像を見ることでその差がわかります。
液晶テレビに必要なLEDバックライトや過去のプラズマテレビのような放電スペースが不要なため、さらに液晶テレビの約10分の1の薄さを実現しています。
しかし、液晶テレビと比べて消費電力が高く、高価格、パネルの寿命等のデメリットがあります。
10年前と比べて大きく進化した液晶テレビ
約10年ほど前には薄型の家庭用液晶テレビが一般的になり、液晶テレビの性能や省エネ効果はどのくらいだったのでしょうか。
パナソニック製の約10年前(2011年)に発売された「ビエラ TH-P65VT3」を見ていきましょう。
最新型の4Kテレビと比較すると、大きさに変わりはありませんが、画面のフチが厚く、その分画面が小さくなっています。
画素数は当時は綺麗で鮮明だと評判だったフルHD(約207万画素)が、4Kテレビ(約829万画素)の4分の1の解像度です。
10年前ではまだインターネットサービスを利用したコンテンツは少なく、映画などのネットを通したサービスはありませんでした。
最後に省エネ効果ですが、資源エネルギー庁の「省エネカタログ2020年度版」によると40V型テレビの場合、2010年には年間約156kWhの消費電力量でしたが2019年には約83 kWhにまで減少し、高い省エネ効果が発揮されています。
液晶テレビの電気代を大幅に節約できる5つのポイント
毎日利用する方が多い液晶テレビですが、ここでは電気代を節約する3つのポイントについて解説します。
画面の明るさを高く設定すると電力の消費量は増加します。見にくくならない程度の暗さに設定し直すと節約に繋がります。また、音量も必要以上に大きくする必要はありませんので適度な音量に下げるだけで消費電力が下がり、わずかですが節電に繋がります。
なんとなくテレビ画面をつけっぱなしにしていませんか?基本的なことですが、見ない時には消すだけでも年間で見れば節約になります。また、電源はリモコンでオフするだけでなく、テレビ本体の主電源をオフにした方がわずかですが節電になります。
10年以上前に購入したテレビをご使用の場合、思い切って新しいテレビに買い替えた方が節約になる場合があります。特に大きなサイズのプラズマテレビは、消費電力が非常に高いことが分かっています。最新のテレビは省エネ設計になっています。テレビの寿命は平均で約10年と言われています。
今後、世界的なエネルギー供給の問題で電気代が高まると言われている時代なので、日ごろから節電・節約意識は忘れないようにしたいものですね。